自己破産
自己破産とは
裁判所の免責許可決定により借金をゼロにしてもらう方法。
最後の手段。
収入がない場合や借金が収入より極端に大きく返せる見込みがないケース。自己破産者に生活の再建・建て直しと、再出発の機会・チャンスを与えるという、日本の国が法律で認めた救済手段である制度です。
自己破産手続きの流れ
貸金業者に受任通知を送ります。
これにより取り立て、返済が一時ストップします。
貸金業者が開示した取引履歴をもとに、あらためて法定利息に引き直して、実際の債務額の確定を行います。
司法書士が管轄の地方裁判所へ自己破産の申し立てを行います。
裁判所で本人と裁判官との面接(破産審尋)が行われる場合があります 。
破産手続の開始が決定します (自己破産状態にあることが認められます) 。
裁判所で本人と裁判官との面接(免責審尋)が行われる場合があります。
免責決定です(借金がゼロになります)。
※税金等、免責されない債務もあります。
※上記の流れで通常6~10か月かかります。
自己破産のメリット
- 司法書士が債権者に受任通知を送ると、貸金業者からの取り立てや返済が一時ストップします。
- 免責を得られれば、すべての借金の返済義務がなくなり、借金がゼロになります。
自己破産のデメリット
- 信用情報(ブラックリスト)に載り、7年間、借り入れやローンを組むことができなくなります。
- 自己破産をすると自己破産したことが国の機関紙である官報に掲載される。
- 自己破産をすると、自己破産者の本籍地の市区町村が発行する身分証明書に破産手続開始決定の通知を受けていない旨の記載がされない。
- 自己破産開始決定から免責決定までのあいだ(約6ヶ月間)、資格制限や一定の職業に就くことができなくなる。
- 借金の理由がギャンブル等だと免責にならないことがある(免責不許可)。
自己破産Q&A ~その1~
- Q 自己破産手続きを弁護士や司法書士に依頼すると最初にまとまったお金が必要ですか?
- A 着手金を要求されると思いますが、分割払いに応じてくれるところもありますので相談してみて下さい。当事務所では着手金の分割払いも可能ですのでご安心ください。
- Q 会社に内緒で自己破産できますか?
- A 会社から借金(社内融資等)がある場合以外は通常は知られません。
- Q 自己破産すると会社をクビになりますか?
- A 自己破産しても会社はクビにできません。たとえ公務員でも辞める必要はありません。但し、警備員や証券取引外務員等の破産による資格制限にも注意が必要です。
- Q 家族に内緒で自己破産できますか?
- A 同居していない場合には内緒にできます。同居の場合には家族の収入証明が必要ですので難しいでしょう。家族で今後の生活をよく相談することをお勧めします。
- Q 自己破産すると戸籍や住民票にのりますか?
- 自己破産したことが戸籍や住民票にのることはありません。よってそれらから自己破産の事実が誰かに知られることもありません。
- Q 自己破産すると選挙権がなくなりますか?
- A 自己破産しても選挙権等の公民権はなくなりません。
- Q 年金や社会保険、生活保護に影響はありますか?
- A 自己破産したことによってセーフティーネットである年金や社会保険、生活保護に影響はありません。
自己破産Q&A ~その2~
- Q 妻が自己破産すると、夫名義の自宅も処分しなければいけませんか?
- A 自己破産によって処分しなくてはいけない財産は本人名義のものだけです。夫名義の自宅は処分する必要はありません。
- Q 自己破産すると保証人に何か影響しますか?
- A 自己破産申立てをすると直ちに保証人に請求がいくでしょう。自己破産申立て前に保証人とよく相談してください。
- Q 保証人の付いている借金を除いて自己破産できますか?
- A 一部の借金だけ除いて自己破産はできません。どうしても保証人に迷惑をかけたくない場合は任意整理も検討してください。
- Q 借家に住んでいますが自己破産すると出て行かなくてはいけませんか?
- A 自己破産したことによって出て行く必要はありません。但し、家賃を数ヶ月も滞納している場合は賃貸借契約を解除されることがありますので注意してください。
- Q 自己破産すると家や自動車すべてなくなってしまいますか?
- A 自己破産申立てする本人名義の家や自動車は原則として処分しなければいけません。但し、査定額やローンの有無により処分しなくてもいい場合がありますのでご相談ください。
- Q 自己破産すると生命保険や火災保険もすべて解約しなければいけませんか?
- A 掛け捨てタイプの保険は継続できます。解約した場合の解約返戻金が20万円を超えるものに関しては、原則、解約して破産管財人により債権者に配当されます。
- Q 自己破産すると家財道具一式を持っていかれるのですか?
- A 自己破産しても日常生活に必要な家財道具に関しては残せます。よほど財産価値のあるものでない限り通常は家財道具が処分される可能性はありません。
- Q 自己破産すると携帯電話も使えなくなりますか?
- A 自己破産によって携帯電話が使えなくなることはありません。使用料金をきちんと支払っている場合は大丈夫です。
自己破産Q&A ~その3~
- Q 自己破産すると一生クレジットカードを作ったり、ローンを組んだりできないのでしょうか?
- A それぞれの金融機関によって異なりますが、自己破産から通常5~7年経つと信用情報機関の事故情報の登録が抹消されますのでローンを組んだりもできるようになります。
- Q 住民税や健康保険料を滞納していますが、自己破産するとどうなりますか?
- A 自己破産しても税金や保険料は免責されませんので支払う必要があります。管轄の公的機関に現状を正直に報告してください。分割弁済の相談には応じていただける場合が多いようです。そのほか、養育費、罰金等も免責の対象にはなりません。